「複支路」へ戻る→*
「今の何 !?」
他人[ひと]より少しばかり多く持って生まれた好奇心。
南は今登ってきた階段を駆[か]け下りると、音のする方向に向かった。
ぞわり。
ふいに鳥肌が立つ。
「出たわね、何か」
廊下を駆けて、目的の教室へと着く。
「『社会科学習室』? ココに住み着いてるヤツっていたかしら?」
記憶をたどるものの、思い当たらない。
「ま、いいわ。確かめないと」
南は思い切って扉を開けた。
鍵のかかっていない扉は、簡単にがらりと開いた。
「うわ―――。ポルターガイスト」
中では、机や椅子[いす]が宙を舞っていた。聞こえていたものは、 これらがぶつかる音だったらしい。
(後片付け大変そう…)
思いながら教室へ入る。念のために鞄[かばん]をレールの上に置いた。
「さぁて、起こしてくれてるのは… !!」
突然生まれた気配に見上げると、そこには首のない男性が浮かんでいた。
「…新入り? …って、あたし―――」
→ さっき部室でモノ持ってきたっけ。
→ 今、何にも持ってないじゃない(汗)。