「部長 !!」
別方向から声をかけられて振り向くと、持ち場を撤収して来たらしい部員の姿があった。
「東都、姫木と相馬[そうま]と石原[いしはら]のチーム、すげー事してくれたぞ?」
笑顔でそう言ったのは、同学年の渡瀬 隆馬[わたせ りゅうま]だ。
「すごい事? 何やったの1年チーム」
「えぇと、先輩、これ」
相馬 拓人[そうま たくと]が差し出したのは、封印具だった。 それもしっかりと札[ふだ]の貼られた。
「?」
「えと…」
「標的とは別モノでしたけれど、対話が通じず向かって来られましたので、封印させて頂いたんです」
相馬の言葉を遮って、姫木が流暢[りゅうちょう]に説明してくれた。
「うわ、よく三人で封印できたわね」
南の一言に照れたようになる三人。
「んじゃコレ浄化層に置いて、ガラス片づけたら今日は帰りましょう。 ファミレス寄って祝杯上げなきゃね」
言うと、喜んで騒ぐ部員たち。
「さ、部室に戻るわよ」
『おう』
『はい』
『了解』
ぞろぞろと部室へ向かう。
校舎を出て見上げれば、陽の落ちる空。
「『終わり良ければすべて良し』かしらね?」
広がる夕焼けに呟[つぶや]いて、くすりと笑みをもらした。
The End.