ARIADONE
ねえ、いつまでも待っているから。
あなたを、いつまでだって待っているから。
もういちど、会いに来てくれるのを。
あたしの頭をそっとなでて、名前をつけてくれたあなたを。
「時の流れが違うから」
言って、つけてくれた名前は。
遠い国の、「置いていかれた乙女の名」だと。
知ったのは、ずいぶんたってからだけど。
あの、星のように光る焼夷弾。
焼かれて死んだ仲間も多いけれど。
それでもあたしは生き残ったから。
だから、待っているから。
あたしが枯れる時が来るまで。ずっと。
だから、どうか。
あたしを忘れていないで。
いつか、きっと、会いに来て。
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