「複支路」へ戻る→



「え、どうして? あたしも封印系のがいいんだけど?」
「東都、ゴーグル使うの苦手だろ? 位置のつかめない奴が補佐したって意味ねーだろーが」
 至極[しごく]もっともな事を言われて、南は言葉につまった。
「それに、一度相手にした奴の気配には、向こうも敏感[びんかん]になってるだろうからな。 東都にはヤツをおびき出してもらった方がいーと思うぞ」
 対悪霊用武器のスペシャリストに説[と]かれて、南はうーむと唸[うな]った。
「わかった。あたしがヤツを誘い出せばいいのね」
「ああ。芦澤はここで万一に備えて網を張っててくれるか」
「了解」
 言うや否[いな]や、生徒をどかせて網を展開する。
「乗り込むわよ」
「おう」
 気合を入れて、南は扉を開いた。




→ 次へ。



このページのトップへ