Not Half But Double






 9月の8日。夏の暑さのまだ残る、2学期の始業式の日。
 久しぶりに集まった顔ぶれに騒ぐ中、『彼女』の登場は、さらにクラスをざわめかせた。
 モデル並のスタイル。くせの強い、黒に近い焦茶[こげちゃ]の髪。明らかに色の白い肌。 青というより緑に近い瞳。自分達と同じ制服に身を包んだ彼女は、教壇[きょうだん]の横に立ち、 堂々と背を伸ばした。
「ガーネット・サラネイドです。よろしくお願いします」
 違和感のない日本語を話す彼女は、1学期だけの留学生だった。





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