「複支路」へ戻る→*
「何だってのよ。気になってしょうがないじゃない」
そう洩[も]らして席を立つ。
廊下に出て耳をすますと、どうやらこの階ではないらしい。
うるさい音に導かれるまま、南は階段を下った。
ぞわり。
ふいに鳥肌が立った。
「…出たわね、何か」
嫌そうな顔で、廊下を進む。
「社会科学習室?」
どうやらこの部屋から音がするらしい。
「ここに住み着いてるヤツっていたっけ?」
記憶をたどるものの、思い当たらない。
「ま、いいわ。確かめないと」
南は思い切って扉を開けた。
鍵のかかっていない扉は、簡単にがらりと開いた。
「うわ―――。ポルターガイスト」
中では、机や椅子[いす]が宙を舞っていた。聞こえていたものは、 これらがぶつかる音だったらしい。
(後片付け大変そう…)
思いながら教室へ入る。
「さぁて、朝っぱらからんなの起こしてくれてるのは… !!」
突然生まれた気配に見上げると、そこには首のない男性が浮かんでいた。
「…新入り? …って、あたし―――」
→ さっき部室でモノ持ってきたっけ。
→ 今、何にも持ってないじゃない(汗)。